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◆災害も何のその!復興を遂げた嘉穂劇場
筑穂町からほどなく進んだところにある飯塚市には、かの有名な芝居小屋(しばいごや)「嘉穂劇場(かほげきじょう)」があります。日本でも現存する芝居小屋は数少なく、九州において現在も使用されているのは熊本県の八千代座とこちらの嘉穂劇場だけだそうな。
2003年7月には記録的な水害に遭(あ)われ、劇場の大部分が水没(すいぼつ)。それによって大規模(だいきぼ)な修繕(しゅうぜん)を余儀(よぎ)なくされ、たびたび全国のワイドショーなどでも取り上げられました。その後、明石家さんまさんなど著名(ちょめい)な芸能関係者を含む多くの方の協力によって見事復興(ふっこう)され、今では昔以上の輝(かがや)きを放っています。今回はそんな嘉穂劇場さんのご紹介です。
◆どこか懐かしい空気がただよう
ところで、皆さんは今まで芝居小屋に足を運ばれたことはありますか?レポーターは人生初体験。それもあって見るものすべてが新鮮に感じられ、入場前からワクワク感が止まりません!入り口に飾られたお芝居の看板ひとつひとつに「ほぉーっ!」と見入ってしまうほど(笑)
芝居小屋独特の雰囲気と言いましょうか、辺りの空気が醸(かも)し出すムードは、今まで感じたことのない、だけどどこか懐(なつ)かしい感覚にさせてくれる心地よいものでした。
◆ホールとは一味違う芝居小屋
ガラガラッと入り口の引き戸を開けると、横に伸びたロビーには赤い絨毯(じゅうたん)が敷(し)かれ、レポーター的にはまさにテレビで見た芝居小屋のまんま。思わずニンマリ。さっそく嘉穂劇場オフィスマネージャーの伊藤真奈美さんに案内して頂いて、舞台のある劇場内部へと進むのでした。
初めて目にする芝居小屋は、コンサートホールやイベントホールのような一般的な会場で肌に感じるピンと張りつめた空気は無く、むしろどこまでも温かく、まるでお客さんの笑い声が染(し)みついたような、そんなにぎやかな影がダブって見える光景でした。
「マス」と呼ばれる客席の仕切りも印象的で、いかにも芝居小屋に来ましたという感覚にさせてくれます。
◆人の力が支えている表舞台
舞台の凄(すご)さは言うまでもありません。直径16メートル・重さ6トンという回り舞台は、木造のものでは世界一の大きさ。これを12人の男衆(おとこしゅう)が"気"を合わせて力強く回すんだそうです。
ん?でも回すと言っても、どこで動かすんでしょうか。伊藤さんが指さす先には「奈落(ならく)入り口」との看板が。おおっ、これはもしかすると地下への入り口ですね?秘密基地大好きっ子のレポーターとしては、「地下」という言葉に敏感(びんかん)に反応してしまいます(笑)
そこには、からくり時計を連想させる巨大な円形の仕掛けがあり、その円周(えんしゅう)上に均等(きんとう)に12本の柱「力棒」が取り付けられています。この柱に肩を押さえつけて回すんですね。レポーターも試しに押してみました。まあひとりで動かすなんて元々無理な話ですがね(笑)伊藤さんがおっしゃるには、これは回すのも大変だけれど、止めるのも一苦労なんだとか。体験してみて納得。
また、主役級の役者を舞台に飛び出させる「セリ」なる仕掛けも男衆8人の手が必要だそうな。いや〜、舞台の至るところに人の力が生きているんですねぇ。今や全自動が当たり前になった世の中で、これだけ力の入ったお芝居。皆さんの熱い気持ちがにじみ出てくるようです!
◆いつまでも変わらない嘉穂劇場
この嘉穂劇場さんも今年で76年目。前身であった「中座(なかざ)」も含(ふく)めると100年近い歴史があり、同時に大衆演劇の歴史をも物語る文化財(飯塚市登録有形文化財)です。途中、全焼や自然災害に見舞(みま)われながらも、その度により力強く復興され、現在も生きた芝居小屋としてたくさんの方に慕(した)われています。
その歴史を駆(か)け足で楽しめる資料館も大変素敵で、中には他の芝居小屋では見られない貴重(きちょう)なものも少なくありません。それにこの雰囲気。とにかくこの芝居小屋という場所の雰囲気を味わうだけでも足を運ぶ価値大ですよ!豪雨(ごうう)による被害も、当時の木を生かす匠(たくみ)の技で完璧に修繕され、素人(しろうと)目にはどこを直されたのかさえ分かりません(笑)
いつ来ても同じ姿であり続ける嘉穂劇場。いつまでもこの歴史と伝統を守り続けてください!
◆昭和のレトロが薫るユニークな食堂発見
嘉穂劇場を後にしたスタッフ一行。帰り道に国道200号線を久留米方面に南下し、前回ご紹介した筑穂町を通ったんですが、その右手に気になるお店を発見!その名も「昭和劇場」というお酒も飲める食堂。嘉穂劇場の取材(しゅざい)帰りに昭和劇場との出会い。これは運命に違いないとさっそく突撃(とつげき)取材することに(笑)
スタッフの勘(かん)は当たっていました。昭和のレトロ感あふれるグッズで敷き詰められた斬新(ざんしん)な店内。壁一面、天井にまで貼られた往年の名作映画ポスター。国内問わず、昭和を象徴(しょうちょう)する様々なものがビッシリ!
こちらは店主の榎本和夫さんご夫婦が1年半前に始められたお店で、大分県にある本家の姉妹店なんだそうな。そのレトロな雰囲気もさることながら、目玉は自家製のお豆腐を使った料理たち。お客さんに出す"直前に"にがりを加えて作ったクリーミーな生豆腐(きどうふ)など、滅多(めった)に味わえないものも多数。酢醤油(すじょうゆ)をかけて食べると旨(うま)いんだなぁこれが!!
また筑穂町名産の筑穂牛を使った肉料理も絶品(ぜっぴん)。一口食べれば肉の香りがプンプン。これだけ肉の味が強いものも珍しいんじゃないでしょうか。タレなんかつけなくても十分イケちゃいます。筑穂牛が25年かけて作られたというお話もうなずけます。
最後は豆乳で作った豆乳ケーキで締(し)め!その食感は生豆腐以上のクリーミーさで、香りもまるでバニラアイスを食べているかのよう。黒蜜(くろみつ)をかけているのに洋風な味わいで、まさに新食感に出会った瞬間でした。この他にもユニークなメニューをたくさん取り揃(そろ)えてらっしゃいますので、レトロ好きな方も、食通の方もぜひ行ってみるべし!
レポートdate:2006.1.7
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