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vol.072 伊都国に眠る歴史発見の旅
伊都国に眠る歴史発見の旅
雷山最後の僧坊「雷山千如寺大悲王院」
にやってきました!!
伊都国に眠る歴史発見の旅
その大きさ約4.6mという巨大な
本尊十一面千手千眼観世音菩薩像。
伊都国に眠る歴史発見の旅
県指定の天然記念物でもある「大楓」
四季の彩りはこのお寺の醍醐味です!
伊都国に眠る歴史発見の旅
同じく県指定天然記念物の香木
「白檀」のある室町時代作庭の心字庭園。
伊都国に眠る歴史発見の旅
開山堂への回廊脇の斜面にある「五百羅漢」
全て表情の違う石像が視界いっぱいに!
伊都国に眠る歴史発見の旅
ご案内いただいた案内人の阿刀弘明さん。
急な取材にも快く対応して下さいました。
伊都国に眠る歴史発見の旅
郷土芸能:高祖神楽が奉納される「高祖神社」
清々しい雰囲気で落ち着けるスポットです。
伊都国に眠る歴史発見の旅
コメントを頂いた権禰宜の上原志保さん。
お忙しい中お世話になりました〜。
伊都国に眠る歴史発見の旅
前原の歴史を網羅した「伊都国歴史博物館」
その建物の大きさにもビックリでした。
伊都国に眠る歴史発見の旅
中には平原遺跡を再現したジオラマも。
日本で最も銅鏡が出土した遺跡なんですよ!
伊都国に眠る歴史発見の旅
案内頂いた前原市教育委員会教育部文化課
伊都国歴史博物館係の平尾和久さん。
丁寧な説明が凄く分かりやすかったです!
伊都国に眠る歴史発見の旅
前原の生活・産業・教育文化をテーマに
した伊都民俗資料館。レトロさがグー!
伊都国に眠る歴史発見の旅
加布里山笠の山車の模型をはじめ
様々な民俗資料が展示されています。

◆雷山最後の僧坊「雷山千如寺大悲王院」
今回は前原市の歴史スポットにスポットを当ててみましょう(なんか変ですね)。

最初にご紹介するのは「雷山千如寺大悲王院(らいざんせんにょじたいひおういん)」。こちらは前原市南方にある雷山(標高955.4メートル)の中腹に位置するお寺です。成務天皇48年(西暦178年)にインドから渡来した清賀上人(せいがしょうにん:お堂に国指定重要文化財の座像あり)という僧が開創したと言われています。

◆本当に手が千本!本尊十一面千手千眼観世音菩薩像
見所は、まずその清賀上人が1本の白椿(しろつばき)から彫刻(ちょうこく)して作ったと言われる一丈六尺(4.6メートル!)の本尊十一面千手千眼観世音菩薩像(ほんぞんじゅういちめんせんじゅせんがんかんぜおんぼさつぞう:国指定重要文化財)。 優しい表情で手を組んでいる菩薩像の背面には、名前の通り実際に千本の手があるそうで、それぞれ手のひらには目の形が描かれています。だから千手千眼なんですね〜。(ちなみに千手観音というフレーズは割と耳にしますが、実際に千本あるものには初めて出会いました。)なんでも、世の全てを見とおす菩薩様という意味が込められているんだそうです。

そしてこの巨大さ!1本の木から削り出されたとは到底思えないその見事な造形にレポーターは圧倒されまくり。あまりの迫力と神々しさにレポーターは自然に頭を垂れてしまいましたよ。貴重な体験でした。

ここ雷山ですが、清賀上人の開創以来、歴代天皇や天下の武将・豪族の尊崇(そんすう)を集め、最盛期には一山に三百もの僧坊(そうぼう)があったと伝えられています。しかし、慶応4年(1868)に発布(はっぷ)された神仏分離令(しんぶつぶんりれい)によって引き起こされた廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)のため、雷山の僧坊のほとんどが無くなり、宝暦2年(1752年)に福岡藩主の黒田継高公(くろだつぐたかこう)が建立(こんりゅう)したこの大悲王院を残すのみとなったそうな。

◆大楓にはじまる自然美を堪能
その黒田継高公がお寺の創建と同時に植えたと言われているのが、もうひとつの見所で県指定の天然記念物にも指定されている「大楓(おおかえで)」です。境内(けいだい)で一際目を引く巨大な樹木。芸術的なまでの枝葉の広がり。その優美でダイナミックな姿は一枚の絵画を思わせるほどの存在感です。案内人の阿刀弘明さんによると毎年11月10日頃が見頃だそうです。これを過ぎると散り始めてしまうんですって。美しいものとは同時に儚(はかな)いものですね〜(しんみり)。

この他、同じく県の天然記念物の香木:白檀(びゃくだん)が美しい室町時代作庭の心字庭園(しんじていえん)や、開山堂への回廊脇(かいろうわき)の斜面にある五百羅漢(ごひゃくらかん:全て表情が違うとんでもない数の石像群)など見所が満載です。

◆身代わり神社の異名は伊達じゃない
また、このお寺は身代わりのお守り(サムハラ)でも有名で、その御利益(ごりやく)から生まれた九死に一生のドラマがテレビで取り上げられるほど。かく言うレポーターの近しい人にも、交通事故で絶体絶命のシーンにこのお守りで救われた経験のある方がいるんですよ〜。

そしてそれらの話で共通しているのが、災厄(さいやく)後にいくら探してもお守りだけは絶対に見つからなかったということ。何やら神がかったものを感じちゃいますね!大切な方のためにお守りを買いに来るもよし、雷山の美しい自然を堪能(たんのう)するもよし。これだけ中身の濃いお寺スポットも珍しいですよ!

◆郷土芸能「高祖神楽」を舞う
続いてご紹介するのは、お寺つながりで「高祖神社(たかすじんじゃ)」。福岡市西区との境目にそびえ立つ高さ461メートルの高祖山の麓(ふもと)にあるのがこちらの神社で、創立の時期は不明とされていますが、筑前続風土記(ちくぜんぞくふどき)なる書物によると主祭神は彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)、脇神には左座に「玉依姫命(たまよりひめのみこと)」、右座に「息長足比女命(おきながたらしひめのみこと)」となっているそうな。(雷山千如寺の分社という説もあるようです。)

この高祖神社では、県の無形民俗文化財にも指定されている前原の郷土芸能「高祖神楽(たかすかぐら)」が毎年4月26日と10月25日に境内で奉納(ほうのう)されています。文献(ぶんけん)によれば、この高祖神楽は応仁元年(1467年)戦国動乱の時代、当時の高祖城主:原田筑前守種親(はらだちくぜんのかみたねちか)の盟主(めいしゅ)である周防国山口城主:大内政弘の要請を受けて京都守護の大任に当たった時、戦陣のつれづれに習得した「京の能神楽」が郷土に伝えられたものとされていますが、他に異説もあるようで、そのいきさつは定かではありません

現在は氏子(うじこ)さん達の保存会によって舞が奉納されていて、その熱意に共鳴して結成された後援会のサポートのもと、今後も前原の伝統を守り続けようと地域ぐるみで努めてらっしゃいます。すばらしいですね!

◆伊都国と呼ばれた前原の歴史を網羅
今回最後にご紹介するのが「伊都国歴史博物館」。こちらでは弥生時代から古墳時代にかけて"伊都国(いとこく)"と呼ばれたこの地域の歴史的に貴重な遺物が多数展示・保管

付近一帯に数多く存在する遺跡群の中でも46.5cmと日本最大の銅鏡が出土した近隣(きんりん)の平原遺跡(ひらばるいせき:平原歴史公園のメインスポット)からの収蔵が主軸となっていて、1階と3階にある常設展示室では土器や刀剣をはじめ、古墳の副葬品(ふくそうひん)など、伊都国における各時代の変化が一目で分かる中身の濃い展示となっています。

案内して頂いた前原市教育委員会教育部文化課伊都国歴史博物館係の平尾和久さんによると、太古から国として名前がついていたのは全国でも倭国(わこく)とここ伊都国だけだそうで、出土した"楽浪郡(らくろうぐん:現在の北朝鮮に位置する)から渡来したと思しき鏡や土器類等"から見ても、伊都国が大昔からアジアへの玄関口として栄えていたと考えられるようです。なんだか歴史のロマンを感じちゃいますね〜!

前述の銅鏡についても、同遺跡から出土した銅鏡は全部で40枚と、ひとつの遺跡から出土した銅鏡の数としても日本一。さらにその40枚全てが国の重要文化財に指定されているんですよ。これだけでも一見の価値有りですね!

4階は展望フロアになっていて、前原を360度のパノラマ視点で見渡せてしまいます。博物館でこんな開放感を味わえるなんて!さらに奥には作業室と題した出土品修繕用のお部屋があり、中では専門家の方々が出土した土器やカメ棺(かん)などを形作る大小数多くのパーツを分析し、図面を起こし、ひとつひとつ丁寧(ていねい)に復元作業をされていました。軽い気持ちで館内を閲覧(えつらん)してきたレポーターですが、展示されているものは全てこの気の遠くなるような努力の賜(たまもの)なんだということを思い知らされました!

◆レトロ感覚で楽しめる民俗資料館
そしてこの施設のお隣にあるのが「伊都民俗資料館」。こちらでは江戸時代からごく最近まで使われてきた農具や生活用具など、伊都の生活や産業・教育文化といったテーマで多岐にわたる展示がされています。博物館がクラシックなスポットなら、民俗資料館はレトロ感たっぷりなスポットですね〜。

特に印象的だったのが市の指定無形民俗文化財「加布里山笠(かふりやまかさ)」の巨大な山車(だし)の模型。本物と遜色(そんしょく)ないほど細密(さいみつ)に作られていて、4年に1度、高さ日本一という15メートルの大山笠奉納シーンも目に浮かんできます。伊都の身近な歴史を知るにはここしかないって感じですね!

さてさて、長々と前原市周辺スポットをご紹介してきました。いや〜、伊都国の懐の深さには恐れ入りましたね。まだまだ濃密な自然・歴史スポットが眠っていそうです。皆さんも前原観光をおひとついかがですか?

最後に、前原市観光で最後までご案内・ご同行頂きました、前原市商工会の記帳専任職員の吉村真澄さん・横川弘子さん、大変お忙しい中、本当にありがとうございました!

レポートdate:2006.2.18
  • 雷山千如寺大悲王院:TEL 092-323-3547 前原市雷山626 ホームページ
  • 高祖神社:TEL 092-322-7133 前原市大字高祖1578 ホームページ
  • 伊都国歴史博物館:TEL 092-322-7083 前原市大字井原916 ホームページ
  • 平原歴史公園:TEL 092-323-1111(前原市文化課) 前原市大字曽根
  • 伊都民俗資料館:TEL 092-322-7083 前原市大字井原916
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