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◆山川町のシンボル「お牧山」
山門郡山川町、ここには豊かな自然だけでなく、ユニークな歴史スポットも見逃せません。今回はそんな、歴史情緒(れきしじょうちょ)がありながら同時に印象的なスポットの数々をご紹介しましょう。
まず最初にやってきたのは、山川町のシンボルとも言うべき「お牧山(まきやま)」。この山の頂上付近にある馬頭観音(ばとうかんのん)を目指してぐんぐん登っちゃいましょう。
それにしてもお牧山というのは風変わりなネーミングだと思いませんか?勘(かん)の良い方はお気づきかもしれませんが、この山は江戸時代までは甲塚山あるいは狭野山と呼ばれていました。それが柳河藩主(やながわはんしゅ)第3代立花鑑虎(たちばなあきとら)の手によって9ヶ月間の歳月をかけて軍馬・農場の牧場となり、元禄(げんろく)年間から春と秋の2回、この地で馬市が開かれると、当時の宿場町だった山川町は大変賑(にぎ)わったそうな。なんでも江戸幕府の掟(おきて)では、藩内に牧場がなければ馬市を開くことができなかったんですって。車のない時代の馬の重要さを考えれば、その賑わいも納得(なっとく)というものですね。
由来もそこそこに、山川町名物の青々としたミカン園を背景に頂上付近まで足を伸ばすと、五社宮(ごしゃぐう)と大きく書かれた看板(かんばん)が目に入ります。ここが馬頭観音の入り口(お宮そのものも指すようです)。当時の移動手段の要だった馬の霊(れい)を慰(なぐさ)める観音様が祀(まつ)られているんですねえ。やっぱり歴史のいきさつを知ると、スポットの魅力が倍増しますね!
馬頭観音のお宮から50メートルほど離(はな)れた脇には、人馬の飲料水のためにと鑑虎公が掘ったという湧(わ)き水の池が。人びとはこれを「殿様の井戸」と呼んでいたそうですが、この水が万病に効くと評判になり、いつしか霊験(れいけん)あらたかな「金霊泉(きんれいせん)」と呼ばれるようになったそうな。現在はこのお牧山の中腹に町で井戸を掘り、野外活動などに利用する一方、遠方からわざわざこの水を汲(く)みにこられる方も多いようです。
◆ひとつだけお願いしてみましょう
馬頭観音を冠(かんむり)に頂(いただ)くお牧山ですが、その中腹には面白いスポットがあるんですよ。
その名も「いっちょ願いのお地蔵様」。日頃、お地蔵様を見るとついついたくさんお願い事をしてしまう(童話:かさ地蔵の読みすぎ?)レポーターですが、"いっちょ願い"と言われると、なんだか本当に叶(かな)っちゃいそうな気がしてきます・・!そもそもこのお地蔵様は、昔、草深いお牧山に分け入った村人が道に迷った際、お地蔵さまに念じて助けを乞(こ)うたところ、光明がさして無事帰路(きろ)につけたことから「ミチアケ地蔵」として皆に慕(した)われ、ひとつだけ願いごとがかなう、"一つの願い地蔵さま"と、親しみを込めて呼ばれるようになったそうな。
そんなありがたいお地蔵様となると、こちらも真剣にお祈りせねば。月並みに家族の健康でもお願いしようかなと、お地蔵様の前に座ろうとしたその瞬間(しゅんかん)!カメラマンの刺すような視線が突き刺さる。まるで「何を祈ればいいか分かってるだろうな」とでも言わんばかりの眼力。しかも声に出して祈れという(笑)以前、あるお寺で「恋愛運:あきらめなさい」のおみくじを引き当てたレポーターを見かねたのか、"恋人が欲しい"と叫べばいいんじゃないかと屈辱的(くつじょくてき)な要求を出してきました(汗)カメラマンからのいびりで麻痺(まひ)しているレポーターはもはや抵抗(ていこう)する気も起こらず、素直に恥ずかしい姿を収録されるのでした(汗)いっちょ願いのお地蔵様、今年こそよろしくお願いします(照)
◆はなたれでも有名です
お地蔵様関係・・ではないですが、もうひとつ"願いが叶う"ありがたい石像をご紹介。それは要川流域そばにある「はなたれ小僧様」です。本当に大丈夫なの?と思ってしまう名前ですが、山川町は日本に古くから伝わる民話のひとつ「はなたれ小僧」の発祥(はっしょう)の地で、アニメ「まんが日本昔ばなし」にも登場するほど有名なんですよ〜。
ご存じない方のためにあらすじを書きますと、『むかし、正直者だが貧しい老夫婦がいた。ある日、おじいさんが売れ残った柴(しば)を、水神さまにささげると、ひとりの女が現れ、柴の礼をいい、小さな小僧さまを差し出した。「このはなたれ小僧さまは、何でも願いごとを叶えてくださいますが、エビナマスしか召し上がりません。毎日作ってさしあげてください」と。老夫婦がその言葉の通りに作ってさし上げると、二人は願い通り村一番の大金持ちになった。そうなるとじゃまなのは小僧さま。水神さまのもとに小僧さまを返したとたん、二人はもとの貧乏暮らしに戻ったそうな。』
・・フムフム、お金持ちにはなれたけど、逆に心が貧しくなってしまったと。可哀想(かわいそう)なはなたれ小僧さまです。この民話をもとに石像が作られたことで、より多くの方が知ることになった小僧さま。その青っぱなが飛び出したユニークなお姿も印象的で、これからもずっと慕われ続けることでしょう。そして、ぜひともレポーターに恋・・ゲフンゲフン。
◆お屋敷の中に本堂が!
ユニークな歴史スポットのラストを飾(かざ)るのが河原内にある「江月寺」。文久2年(1862)に建立された黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院です。ここの特徴(とくちょう)は、本堂が日本式住宅建築のなかに組み込まれた、いわゆる座敷本堂(ざしきほんどう)という珍しいスタイルなところ。そして純和風の可憐(かれん)な花々・植物に囲まれた情緒豊かなお寺スポットです。
その本堂のユニークな構造もさることながら、庭園の美しさには四季を通じていつ来ても違(ちが)った魅力があり、人の手で作られた建物と自然の美しさが調和(ちょうわ)して、独特の雰囲気を醸(かも)し出しています。
毎年10月にはお茶会が開かれ、琴(こと)の演奏なども行われるそうですよ。なんでもこのお寺では琴がいい音で鳴るんですって!く〜、聴(き)いてみたい!そして、取材当日は歴代柳河藩主(やながわはんしゅ)しか通ることを許されていなかった山門を特別にくぐらせていただいたりと、いろいろ思い出深いひとときを過ごさせていただきました。ご住職の花岩春導さん、本当にお世話になりました!
そして山川町の取材に終始お付き合いいただき、またご協力いただきました山川町商工会の事務局長:北嶋豊隆さん、経営指導員:植田隆嗣さん、お忙しい中ありがとうございました!
レポートdate:2006.4.14
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